愛した人と憎んだ人を数えたら、圧倒的に後者の方か多い。なのに私が呼びかける人、思い出す人もまた、後者ばかりだ。

では、他人にとって私はどんな人か。私を愛した人として数える人と、憎んだ人として数える人がいるだろう。

これも同じだ。私の名前を呼んでくれる人、思い出してくれる人は、

私を憎んだ人ばかり───




すごいね、岩井志麻子さん、て…

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※ 【無傷(むしょう) の愛】('09/双葉文庫、岩井志麻子 著)、 収録『追憶の部屋』より引用。