講談社X文庫、好きだわー(^O^)/

これ、随分前に、1100円で10冊くらい纏めてYahooで落札したんだよね、送料込みでも一冊140円くらいだった、と以前にLog.って(検)…

何で今頃読んどんね───────ん!!
(≧▽≦)

と、そんな講談社X文庫から、
『映画小説 ターミネーター』('85/ 原作・R.フレークス&W.H.ウィッシャー、吉岡 平 訳/ 講談社X文庫) をLog.る。


西暦2029年、地上は機械生命体、サイバーダインによってほぼ完全に制圧されていた。つい30年前まで地球の支配者として君臨していた進化した霊長類は、その長期政権をこの感情を持たぬサイバーダインどもにあけわたし、いまや細々と生きのびているにすぎなかった。いや、その生殺与奪の権限を、完全に握られているといっても過言ではない。


映画の【ターミネーター】('84/米)、観たことない人がいたら即レンタル!

でもこのシュワちゃんの傑作ムービーを知らな人はあまりいないと思うから、あらすじは割愛。今回も。
m(_ _)m

あ!【エクスベンダブル2】にまたシュワちゃん出てるみたい。マシンガンぶっ放してたぜよ!!
あと、チャック・ノリス!(地獄のヒーローだっけ?)や、バン・ダムの顔もあったわ、観たい…


上空では、またパトロール機が飛びまわりはじめたらしい。こもったようなエンジン音が、ここまで聞こえてきた。地上では、巨大な無人トレーラーがおびただしい人骨の山をガレキとともに踏み砕いていた。


こうしたノベライゼーション、映画小説のたぐいの魅力って、この…何つーの?画面上に出てこないシーンや、サラッと流される登場人物の、裏設定!みたいのが好いんだよね。


ヒューストン・オイラースのラインバッカーだったデルは、2度のシーズンにわたって、オイラースがかつて成し得たほとんどすべての偉業を、ひとりで欲しいままにしていたのだから…。
「黄金の両脚か……。」
思わず彼は舌うちした。あのとき、あそこにレンガ塀さえなければ、彼の人生はもうすこしましな方向へころがっていたはずだった。
「サインしてちょうだい」
病院のベッドで、アンナにそういわれたとき、デルにはなんのことかわからなかった。たった1年3か月の結婚生活は、紙きれ一枚で終わりを告げ、同時に、デルの夢の───すべてとはいわないが────あらかたは終わったのだった。
彼の黄金の両脚にかけられた保険料は、彼よりも腕のいいギャンブラーたちのポケットへと消え、けっきょくのところ彼に残ったのは華やかすぎる過去の栄光と、ぶっこわれた右ひざだけだった。それだけに頼って生きるには、彼の余生はあまりにも長すぎた。


そうだね、大抵こんなもんでしょ、相手の両親が相手に、大枚はたいて持たせてくれた それ!に自分を捧げる、のであって、永遠の愛の誓い、なんて、周りへの配慮と 自分の為のアトラクション、その時だけは人生で唯一無条件に許される、主役というスポットライトを浴びる瞬間、くらいにしか思いはない。

スーパースターのデルさん、「サインください」と、もうスターでもなんでもなくなったデルさん、「サインしてちょうだい」が、最初と最後、出会いとサヨナラのサイン、ってことだ。
( T_T)

このデルさんは、ターミネーターにはほんのちょっとしか出てこなかったからな…デル(出る)なのに。
(ーー;)


あたりを包みこむ光は、しだいに実体をもつ光の玉へと凝縮していった。デルは狂乱するエネルギーの踊りを見た。セント・エルモの火だ。そうだ、海に浮かぶ船のマストに燃えるという、あの得体の知れない光だ。
狂乱がピークに達したとき、落雷の直撃を思わせる轟音と衝撃が、デルの全身をつきぬけた。信じられないようなことが、彼の眼前で起こりつつあった。
光の玉は爆発して紫色の閃光になり、デルの目をくらませた。轟音と衝撃とが唐突におさまると、さっきまでなにもなかったはずの場所に、そいつが立っていた。
「神様……」(中略)
そいつは呼吸していた。威圧感にみちみちた、しかし例えようもなく優雅なプロポーションを持つ全裸の男だった。軍隊風のショートヘアからは、オーブンから出てきたばかりのローストチキンのように、煙が立ちのぼっていた。体は、上等のメリケン粉のような白い灰に覆われ、こぼれ落ちる灰の下に、赤ん坊のようなピンク色の肌が見えていた。だが、そいつは赤ん坊ではなかった。まったく逆の印象を与えるなにか……そう、兵隊だ。
そいつの体は、まさしく力強い調和そのものだった。


誰もが知ってる、素っ裸 シュワちゃん(ターミネーター) 初登場のシーンです。

この後未来からもう一人…サラ・コナーを抹殺しようとするターミネーターを阻止しようと、カイル・リースがタイムスリップして来る。


タイムトラベルにともなう数々の問題点は、覚悟の上だった。とはいえ、実際に体験してみると筆舌に尽くし難い肉体的、精神的苦痛を味わされた。いや、苦痛ならまだ耐えればいい。もっと困ったのは、タイムトラベルに服がついてきてくれないことだった。
(中略)
彼にとって、はじめての世界は肌寒かった。それが、服を失ったためだと気づくのにしばらくかかった。ついつい戦闘服を着ているつもりで、歩いていた自分に赤面した。早急に服を手に入れねばならなかった。
『まあいい、一足先についているはすのやつも、いまごろは同じ苦労をしているはずだ』
彼はそういいきかせて、自分をなぐさめた。


電話帳のサラ・コナーのページを破り取り、名簿の上から順にサラ・コナーの名を持つ者を消去、抹殺していくターミネーター。

一足先にサラを見つけたカイルが、彼女を護ろうと奮闘するのだがカイルは警察に捕らえらてしまう。いくら真実を話しても 狂人あつかいされるだけ、拘束されてしまう。

…そこへ…


「一発で、おまえの頭は吹っとぶぞ!!」
それがブーコビックの、最後の言葉になった。その胸に、ターミネーターはスパス・ライアット12番経をくらわせた。踏みとどまろうとしたブーコビックの背中がザクロのようにはじけるのを、トラックスラーは見た。テレビドラマの安っぽいポリス・アクションの特撮シーンのように、血まみれになったブーコビックは、たたらを踏みながら3回、4回ときりきり舞いし、あおむけに倒れる。手にしたM29があらぬ方向に向けてマグナム弾を吐きだす。その反動で、すでに絶命していたブーコビックの体が、雷に打たれたカエルのように、床の上で跳ねた。さらに一発、ターミネーターは銃口を押し当てるようにしてスパスを撃った。ブーコビックの体は、雑巾のように裏返った。


カイルはサラを連れ、ターミネーターの魔手から一瞬だけ逃げ果すことができた。

(たたらを踏みながら?って何?)


サラは言葉をつまらせた。
「どうしたの?」
「父親になる人は誰なのかしら?」
「よくは知らない。記録にはなにものこってないからね。でも"伝説"では、彼は戦争が勃発するよりも前に死ぬ……。名前も、どんな男なのかもわからない。」
「知りたくないわ。」
サラはうつむくように目をそらした。
「あなたは私の息子に命令されて……。」
「いや、志願してきた。」
「なぜ……。」
「見たかったんだ。伝説の女闘士、サラ・コナーをね。」
「第一印象はいかが?」
ちょっと意地悪く聞いてみる。
「思っていたのとずいぶん違う。」
「そう……。」
「実物のほうが魅力的だ。」


タイムトラベルのロジックに翻弄され、サラとカイルは出会い、いつしか愛し合う。

出会う理由も、意味も、この… 時の定め であることも知らず…


「ジョンが君の写真をくれた。古い写真でね、破れて色あせていた。まだゲリラとして戦っていたころだろう。いまの君のように若くて、でも……。」
「でも?」
「すこし悲しそうだった。どうしてかなと思ったよ、僕は。」
カイルはサラの髪をかきあげた。
「わかったような気がする。」
サラの唇にそっと口づけすると、サラも口づけを返した。
「志願してきたといったろう。」
「ええ。」
「僕は君のために来たんだよ。愛してる……。ずっと前から、一目ぼれしたんだ、写真にね。」


カイルはプレイボーイだな…
(#^.^#)

随分未来から来たくせに、ずっと前から愛してる、はないだろう…
\(//∇//)\

サラとカイルは、最初のターミネーターとの戦いに勝ち、この物語はずっと今だに続いてる。

このノベライゼーションは面白いね、何故 カイルがジョン・コナーから貰った、色褪せた古い写真の中のサラがちょっとだけ悲しい顔をしていたか、…それは時間の魔法…

さすが、なかなかのお宝本です。

今では結構するよ、もし持ってたら大切にしなくちゃ。

…自分で自分を高く見積もる、そんな自惚れとは訳が違う。お高いのにはそれなりの理由がある。


サラはポーズボタンを押して、マイクに戻った。
「父さんの話をするべきかしら……。」
サラはちょっと言葉をのんだ。
「父さんとわかっていても、彼を1984年に送ってよこすの?そうね、でないとあなたは生まれないものね……ややこしくて気が狂いそう……。」
一瞬、サラのまぶたの中で、カイルが笑いかけた。

「やっぱり話すわ……。彼のためにも、あなたにも知ってほしいの。ほんの短い間だったけど、私たちは愛しあったって。だから、父さん以外の人を送ってよこしたりしちゃだめよ……。」

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※ 引用。
('12/2・9) log。