ロメロの『死霊のえじき』('85/米) は、ゾンビトリロジーの最終作。つっても、この後、『ランド・オブ〜…』('05/加・仏・米) 他、が発表されて、トリロジーはサーガ、となって…

この辺だと皆様の記憶もあやふや?どんな映画やったかなあー?ってなってるか。


舞台は2×××年10月。街は腐敗が進むゾンビに溢れ、人類の敗北は決定的。軍事施設のスミノル地下倉庫で数人の人間がゾンビの研究をしながら生き延びていた。武器・食料は少なく外には40万のゾンビという絶望的な状況に、軍人と学者のいざこざは尽きない。
(『スプラッターカーニバル、大洋図書』)より引用。

今回Log.る この小説は、『死霊のえじき』(S61、ジョージ・A・ロメロ著 / 岡山 徹 文、講談社X文庫) から、

当時の定価は340円。こちらも今じゃかなりのプレミア。

巻頭にカラー4頁、目次の次にはモノクロ写真からなる人物紹介もあり、映画パンフ並の丁寧さ。

巻末には、ロメロ、…ささえる人々、サビーニ、プロダクションノート、…大スターはいらない、からなる、メイキングが付録されてる。
DVDなら特典映像だね、実にマニアックな作り。

しかも何度もLog.ってるけど、この小説のプロローグ冒頭p8〜p22では、『NOTLD』『ゾンビ』も小説化されてるから、何しろファンにはたまらない。

復刊ドットコム、だっけ?あれはマンガだけ だっけか?さあ、皆んなで復刊希望しよう!!
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彼女は過ぎ去った日々、いや生きのこってきた日々をいつくしむように、カレンダーのかかった白い壁に近づいていった。
壁の近くに行ったとき、その白い沈黙を破って、生ける屍どもの墓場の土にまみれた白い手が、カレンダーのますめのようなブロックの一つ一つから突然、飛び出した。そして、生けるサラの肉を求めるように、いとわしくいやらしくうこごめいた。


当時、TVスポットで何度も繰り返し流れた有名なシーン…憶えてない?こんなふうに訳出しされてます。

俺がすごく印象にあるのは、飼われてるゾンビの"バブ"…


「わたしは奴を"バブ"と呼んでいる。わたしの父の仇名だよ。外科医が"バブ"とはね。父は金持ちだった。かなりのね。研究ばかりしとったら金持ちにはなれんぞって、口ぐせのようにいってたよ。」
博士は別室のバブのほうをあごでしゃくった。
「バブは反応がいいから生かしてる。死人を生かしてるか……。」


この映画の事は、もうバブしか思い出さないんだよね、ヒロインは相変わらず華がないし、サビーニ系の嫌な奴と、あと必ず正義の黒人、て図式でさ、

でも、バブだけはゾンビなんだけど、可愛カッコ良かった、てのがすごく印象深く残ってる。なにしろSOTAだかNECAだかフィギュアまで買ったからね、好きで…


ローズは、今度は突き当たりのドアを開けに足を引きずった。
そのとき、バブが角を曲がって姿を現した。
ローズが突き当たりのドアを開けたとき、彼の顔は骨壷のように真っ白になった。
そこには大挙したゾンビたちが待ちかまえていたのだ。
ウアアアアアアーッ!
ローズが振り返ったとき、彼のどてっ腹にバブの撃った弾丸が命中した。
口を開けたまま、痛みというよりも驚きに耐えているローズの体を、後ろから伸びたゾンビたちの手がつかまえた。
倒れかかっているローズに廊下の奥からバブが送ったのは、とどめの一発ではなく、はなむけの敬礼だった。博士を殺した隊長への復讐はこうして完遂された。


勧善懲悪なんてのより、それぞれの己の正義の羅列、だから…

皆、理由があって、その側ではそっちが正義、なのは人の慣わしだよね。

ただ、時代の趨勢とかで、端から見て感情移入出来る側が一応そのときには、正しいとされるのだろう。

ゾンビが、自分を実験材料にしてた、博士の復讐に、殺人を犯す、わけだから、

アンガ山根が、デリヘル嬢を呼んだだけなのに、デリヘル嬢はレイプされたと訴える、みたいな事か?

タイタニック号は、俺が乗ってたら絶対沈んでなかった、と 乗船客置いて、真っ先に自分の船を捨てて逃げた、イタリア人船長の俺の言い訳、みたいな事か?

すまん、たとえ下手で。(-。-;

ま、何にしても、傍から覗いただけでジャッジメントしちゃう短絡さ、そっちのが勇気あるな とか思っちゃうよね、

喋られて困るの誰だよ?って話だよ。本当。

ところで、もうバブは死んだ?よな、ゾンビだし。いや朽ち果てた、が正解?言い方として。

最後は、そうね…約束の地へ、必ずヘリか、何かで逃げる。てのがロメロの毎度のお約束。でも、もうすぐそこには!…って感じの終わり方ね。

結末は自身でご確認を。
m(_ _)m

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※ 引用。