【カッティング・エッジ】(新潮文庫) つーアンソロジーを探してたのは2年程前?

そこに『ブルー・ローズ』というストラウブの傑作があると知って…

結構な時間とちょっとした出費の末、やっとその文庫本を見付け 読み始めたんだけど、

あれからまだ今だに読んでるね、短編集なのに。
(T_T)

期待の『ブルー…』は?えっと何をLog.ろうか…
そうね、話の種に一読しとくのも有り、なのかな…
まあまあ好かった、俺も。

でももっと、スゴく気に入った作品もあった
(`_´)ゞ、

『Goodbye,Dark Love』(さらば、闇の恋人/ロバータ・ラン、宮脇孝雄 訳) がそれ なんだけど…

ちょっと刺激の強いオチで、ここには書けないから触りだけご紹介。


エアコンがしわがれた声をたて、一度咳込んでから、もとの静かな音に戻った。
窓に取り付けてあるその黒っぽい錆びた巨体は、街の騒音を通すことができる。
昔、彼女はよく思った。
これは、街の音楽を放送する大きなラジオだと。
生々しいリズム。嘆き節。風の口笛。エンジンのうなり。雨粒の響き。サイレン。
その音楽は彼女にしかわからなかった。
(中略)
バスの停まる音が耳に届く。悲鳴を上げるブレーキ。
嘘つきも、強姦魔も、卑劣漢も、ろくでなしも、見かけ倒しも、色情狂も、おべっか使いも、本物の狂人も、みんなあそこにいる。
乗り物に詰め込まれて、それぞれの地獄に向かっている。
やがてもっとたくさんの人々がやってくるだろう。
根拠のない怒りを胸に抱き、失望をまき散らし、テレビに出てくるような微笑みのかげに偽りの希望を振りかざして。

この世界にほかに何があるというのだろう?
ほかに何が?


とまあ、こんな感じ。

この物語は実は、
おぞましくも大変な出来事の一部を切り取った短編小説で…

是非、【カッティング・エッジ】を古本屋の棚にでも見付けたら、
迷わず購入される様 進言しときます。

俺は著者を一切知らなかったけど、面白かった。
(^_-)

なんかね、一度読んだらたぶん生涯忘れない物語ってあるよね、

たまーにそんなんに出くわすと、自分が起きる、つーか、醒める、つーか…

ほら、小説書くには小説を読まなきゃ書けない、とか云うでしょ、

なんでもそうだよね、
無から有を産むのは難しいから。

どんなにプログラミング、キーボードの上手い人だって、電気がこの世になかったら?

電源無しでいけるギタリストも、ギターそのものが存在しなかったとしたら?

絵の具やカンバスが在ればこそ画家は描くのだろうし、
粘土が無きゃ壺も焼けないのだから…

歌手で言えば、
自分が先人の独特な歌い回し、メロディ、声の色を一切 聴いた事が無い歌い手、
なんてことだったら 理由なく怖ろしいし、

まずモノマネなんてありえなくなるだろうし

究極、文字が無かったら小説家も作詞家も、

なんなら読書家もどこにも生まれなかった、ってことなんじゃない?

何かを生み出すって事は、
人生という決まった時間内の、
先人が先鞭を著けてくれた枠の中での、運のつかみ合い、なんじゃなかろーか?

って気がして…

だから、自分は何も観ないで聴かないでも生める、
と思ってる人がいるとしたら傲りだわ。
マジ。(。-_-。)

なんかそんなん思ったのよ、

歴史に残る傑作とされてる作品より、俺はこっちにブルっと、感銘したしね…
U・x・U

へ?読解力に欠けてるだけだ?

…そーかも。
(; ̄O ̄)




※ 引用。