堪能した。

ジョン・ダニング著【愛書家の死】(ハヤカワ文庫)。

読んで何を感じるかは人それぞれ…

安全な枠の中で安定を求める、その枠が小さければ報酬も小さい。

だからこそ 試験を勝ち抜き、出し抜き、蹴落とし、大きな枠の中に入ろうとするのは世の常。

だが 枠組みの中での競争、勝利し続けるということは、選別されケツにランクの焼印を押され、厩舎に並んでエサを食む、ということ。

それは、人間の小さな器 、限界を物語る。

そこに気付かず、枠組みの中で勝利者気分でいるということは、

お高い餌で飼育される牛、

所詮は、井の中の蛙、お山の大将、ってことだ。

明日どーなるかはわからなくても、俺は自分の脚で自由に緑の大地を駆けていたい。

誰にも、何にも縛られず、媚びる事なく、大自然の葉を食んでたい。

ブロイラー臭い身体で、食肉を待つなんてのはまっぴらだね、

高野十座はそんな歌い手。


*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
※1『…この問題は、うわべをうまく繕って話すことができないので、要点をかいつまんだ。デンバーに冷酷な人殺し野郎が現れ、女に冷酷な仕打ちをしたんだが、お咎めなしだった。

「ある日、そいつを挑発して取っ組みあった。そんなことはするべきではなかったんだろう。デンバーではかなりのスキャンダルになったんだ」

「それでどうなったんです?」

「捜査が終わるまで、謹慎をくらった」

「結果は?」

「最終的な報告書があがる前に警察を辞めてしまったんだ。気配を察したんだよ」

「辞職するように仕向けられたんですか?」

「昔からの友人やパートナーをはじめとして、殺人課の中には、自業自得だと言う連中もいたな。ビリー、警官になったら、これだけは覚えておくといい。なんでも型どおりにやることだ」

「できなければ?」

「じゃあ、わたしのように、心が命ずるままやるしかない。それ相応の結果を受け入れる覚悟が必要だ。必ずしっぺ返しがくる。だが、なんのかんのいっても結局は、言いたいことを言って、やりたいようにやらなければ、心の平穏は訪れないよ」』


ドラマや小説と、現実は違う。

クリフ・ジェーンウェイは、元警官で今は古書籍商。

俺は ジェーンウェイのような生き様に憧れる。

彼は、架空の世界にあってスーパーヒーローってだけではないし、
人間臭さも 弱さも、生身の人間よりもっと人間らしく、

違うのは、実際なら逃げ出したくなるような現実も、決して諦める事がない、永遠に死ぬことがない と言うことか…

彼は最後に言う…

「警官に戻りたい」

なんだその弱気。(ーー;)

大きな枠の中で対峙する巨悪になら、まだ戦う術もある、と、そんなジレンマに聞こえたけど、どーだろう…?

枠組みから飛び出して独り戦うジェーンウェイだからこそ、カッコいいんだけど…

ヒーローが、大きな後ろ盾を笠に着て、仕事ですから逮捕します、ってやられても、小説として夢も希望もないよなあ…


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※2『…昔のカウボーイの格言にあるでしょう。乗ることができない馬はない、振り落とすことができない人間はいない』

最後はこの言葉を…

なんとなく…

※1、※2、引用。