去年買った雑誌の附録のDVDを、昨日やっと観た…
その…生まれて初めて目にした映画のタイトルは…

【ジェニーの肖像】…

この物語は、主人公"エブン・アダムス" のこんな独白からはじまる…

"…ニューヨークの冬は厳しい…1934年の冬もそうだった…

あの頃、画家の僕を苦しめていたのは、
冬の寒さや貧しさだけではなかった…

"心の冬"とでも言うべきものだ…

作品が全く認められない不安から、僕は投げやりになっていた…。"

売れない画家エブンは….飛び込みで、たまたま目についた画廊に自分の絵を売り込む…

そして…画廊の女主人にこう尋ねられる…

「ブラウニングは読んだ?
"完璧の画家"サルトを歌った詩があるの…

"バランス、構造、色彩ー
すべて備えながら 心は打たず

サルトは完璧な手を、ラファエロは不格好な手を描く
だがラファエロには愛がある

哀れサルトよ"

あなた(エブン) に必要なのは、何かを大切に思う気持ちね…」

帰り道…
エブンは一人の少女と出会う…

「私はジェニー、ジェニー・テンプルトン…両親は芸人よ…
あたしが大きくなるまで待ってて…」…

…なんだか不思議な事を言う少女だ…?

「もう行かなきゃ…」

再び会う約束をし別れるが…再会の度、ジェニーは何歳か成長している…

…やがて、愛し合う2人…

「こうなる運命だった…人生の糸が織り込まれていて、
何があっても引き離せないの…」

だが…いつも突然現れては消える…

そんなジェニーの秘密をエブンが知った時、そこには苦しくも切ない別れが待ち受けていて…

…あらましは大体、こんな風な感じ…
わかるかな?難しい?…

ちょっと俺の文章力じゃ追いついてかない…
(ーー;)…

…本編中にはこんなシーンもある…

…エブンは売れない画家なれど、その姿勢には支援者も多く…
「どうしていつも俺の食事の心配をするんだ?」と問う…

友人はこう応える…

「腹ぺこな奴を見たくないんだ…。
…こうも言える…

賢明に何かに打ちこむ奴をほっとけないんだ…
お前は、周りに流されずひたむきに絵を描く。
そこがいい…

みな人生の意味も考えず、ただ過している…
少しでも楽に生きようと、損得ばかり考えて金を稼ぐ…

…食って寝て…死ぬだけ…

そんなことに目もくれないお前といると…
俺も、何か見つけられる気がするんだよ…」…
良い台詞…感動…
(T ^ T)…


特筆しておかなくてはならないのは…

この映画は('48/米) の制作、古いモノクロ画面なんだけど…
嵐の海での最後の再会シーンでは、突然画面が、グリーン/W?に変わる…

こんなん初めて観た…

そしてその映像美は、当時、アカデミー賞特撮効果賞を受賞した程…
その暴風海は、現在から観ても、なんと迫力のあるスペクタクルさ!!

そしてそのクライマックスが過ぎると…今度は画面はセピア色に変わる…
独り救助されベッドの上で、画廊の女主人に…ジェニーと再会した事を語るシーン…

「僕はジェニーにまた会えたんです…」

発見されたエブンの傍らに落ちていたスカーフを手に、それは"彼にだけ見える存在" だと思っていた女主人は困惑の色を隠せない…

そして…画面はセピア色のまま…

場面は、NYメトロポリタン美術館にかけられている一枚の肖像画、
その前に集まる若い娘たちの会話へと変わる…

…"ジェニーの肖像"…
「きれいな人ね…」「ホントにいたのかな?」「きっといたのよ…」

「彼にとって本物ならそれでいいのよ…」

肖像画に見とれながらそんな会話を交わす娘たち…

そうなると映画を観ている側も、完成したジェニーの肖像が見たい…

そして…
カメラは、肖像画の正面へと…

と!最後の最後、この瞬間の為、ジェニーの肖像を映すためだけ!

…画面は××××…に!!!
(自分で確認してね)


【ジェニーの肖像】…
なんとも美しいR・ネイサン原作の映画です…
タイムトラベル?SF?とも言えなくはない映画なんだけど…

漫画だと…萩尾望都 画の『マリーン』の元ネタだそう…

個人的には…
ドクター・フーのポンパドール夫人のお話、『暖炉の少女』は、
この映画から生まれた傑作だと思う…

【ジェニーの肖像】は人生で、一度は観る価値ある映画だと自分は思います…

絵画を愛する者…そして"芸"術に携わる全ての者、いや、それ以外でも誰でも!知っておくべき傑作…
(言葉が陳腐だなあ…)…
(T ^ T)…

…「この遊び知ってる?"願い事ゲーム"…
一番の願い事を言うの…」

「君の望みは?」…

「まず目をつぶって3度、回るのよ…

私が大きくなるまで…

待っててくれますように…」…










※文中台詞については、
2009年2月27日発行、宝島社【別冊宝島 SF・ファンタジー映画の世紀】附録DVD【ジェニーの肖像】(たぶん宝島社のオリジナル新訳)より引用いたしました。