真夏に限りなく近い炎暑と裏腹に、ミツコの中には秋風が吹いていた。
どの男女の関係も、妙にそらぞらしく感じられる。彼女とて、彼氏にさして満足しているわけではないのだろう。

妥協の範囲内でなるべく上位を望む、そのていどの選択に甘んじてきたに違いない。


今月の24日から、オリジナルが1972年だから、実に42年ぶりの新作、リメイクがロードショー公開されんだよね、その名も『キカイダー REBOOT』。
(O_O)
キカイダーに出てくる3枚目、ミツコとマサルを助ける頼りない探偵、服部半平(はんぺん) 役だった植田峻さんとは昔お話しさせていただいたことがあるよ、俺が付き人やってた頃の事なんだけど、
(^o^)
俺、キカイダー大好きだから(あ!はんぺんだ。俺、今はんぺんと話してる…緊) みたいに感動したの覚えてる。緑山でね、
(*^_^*)
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ということで今回はこちら、俺私物『人造人間キカイダーTheNovel』(松岡圭祐 著、角川文庫) を読む。ちょっとだけ、
^_^


そのとき、聴覚に唐突な違和感を覚えた。状況にまるでそぐわない音いろを耳にしたからだった。
ギターのソロ演奏。聞き覚えのある旋律だった。高度なテクニック、トレモロ奏法のこのうえなく速いテンポに相反するもの悲しい調べ。幼いころ、父がよくCDをかけていた。題名はたしか、アルハンブラの思い出。作曲はタレガ。
(中略)
背後の路地に、いつの間にかたたずむ人影がある。
(中略)
七分丈の黒いテーラード・ジャケットに、ジップブーツカットのデニムという軽装。まだあどけなさの残る少年の面影もある。
長い髪は猫毛を連想させるやわらかい質感を持ち、軽くうねっていた。
透き通るほど艶やかな色白の細面とあいまって、中性的な印象を漂わせる。
目は涼しく、鼻はつんと高く、知性溢れる顔つきを構成していた。
長く伸びた脚をもてあますように、その片方を前方へと投げ出している。
なんとも奇妙なことに、青年の手にした楽器はディンギータイプのエレキギターで、付近にアンプも見当たらない。にもかかわらず、なぜかアコースティック・ギターそのものの音色を響かせる。
男の一人が怒鳴った。「誰だ!」


ウケる。笑ってしまった。かつてのテレビでの登場シーンをここまで細密に描写するか?
(^o^)
色々設定は変わってるけども、ギターケースを足元には置いとらんかったやろ?真っ赤な裸のアコギを背中に背負っとったで、
(^。^)
いつも工事現場の土砂の山の上や、ビルの屋上に立って、しかも黒い革手袋したままギター弾いとりましたがな、
(^o^) www


「光明寺ミツコ」
呼び捨てかよ。ユウコの差し金かもしれないが、いまは誰ともつきあいたくなかった。ミツコは怒りとともに振りかえった。
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ミツコとマサル姉弟。(俺私物、映画チラシより引用)
苦言をぶつけようとしたものの、絶句せざるをえない自体におちいった。
赤い覆面が頭部をすっぽり覆っている。左右には焔のような棘が三本ずつ、斜め上方へと伸びていた。
目もとだけゴーグル状に黒く染まっている。そこから覘くふたつの眼球は違和感に満ち、黒目が猫のように縦に細く伸びて見えた。
ウエットスーツに似たグレーのつなぎ、腰にはマスクと揃いの両翼がついた赤いベルト、手袋も同色。
なぜかあしもとだけはスニーカーだった。肌の露出は一平方ミリたりとも見当たらない。
極めて特異で特殊、不気味なその存在は、廊下にひとりきりではなかった。まったく同じ背格好、同じ扮装が複数連なっている。十人はいるようだ。
(後略)


すごいな、この松岡圭祐という作家の方、これはキカイダーに登場する悪の組織ダークの、ショッカーでいう処の戦闘員みたいな存在のアンドロイドマンの描写だと思うんだけど、
かつてここまで戦闘員を詳細に描写したヒーロー小説、作家があっただろうか?
(*^◯^*)
ちなみに、ショッカーの戦闘員は皆様ご存知「イー!!」と声を発しながら戦うんだけど、アンドロイドマンはいちいち「ギルっ、ギルっ!!」とかけ声ってましたね、
(^。^)
黒のスクール水着、黒の網タイツ、何故かスニーカー、ピンクのマスク、そのマスクと同形、色のベルトをした女性アンドロイドウーマンは登場しないんかな?
(^o^)


青年は少しもたじろぐようすを見せなかった。長髪が風に揺らいでいる。ふっと笑を浮かべ、青年はつぶやいた。「ついに来ちゃったか、仕方ないな」
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(俺私物、映画チラシより引用)

ポケットから取り出したのは、スマートフォンに似たアイテムだった。
液晶画面を親指で軽く叩いてから、青年は静かにいった。
「コンバージョン、アンドロイドモード」


えー?!ここは、「チェンジ!スイッチオン!ワン、ツー、スリー!!」やろー
(T_T)


体内から別の音声が響いた。電子的な合成音が呼応する。
”ミッションコード=キカイダー”。
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(俺私物、映画チラシより引用)


スマホで変身かよ?マジか?
{(-_-)}
アンドロイドマン出てきて 某国の型によく似たスマホ使って変身したら、キカイダーモードにチェンジする前に、 申し訳ないけど法則の方が先に発動しちゃう、

アンドロイドマンは戦闘員だからまだ好いとしても、
これはなんだか徹底的にヤバいくさい、
(O_O)


目の前に立つ反逆ロボット。顔面から身体に至るまで、左半身が赤、右半身が青、色彩が真ふたつに分かれている。
左脳のみヘルメット状の強化ガラスが覆い、内部の電子頭脳が透過して見えていた。首や胸部、大腿部に巻きつく黄いろい帯状の繊維は、人工筋肉アクチュエータの熱を逃がす極小呼吸式エアインテイクに違いない。
アンドロイドマンには採用されていない、最先端かつ高性能の部品だった。
いや、このロボットは……。赤と青に塗り分けられているのではない。二体の別のロボットが半身ずつ連結されている。
EG717にとって、ダーク社の製造工場で自我を形成して以来、初めて目にする構造だった。
グレイサイキングが唸り声をあげた。
「ゼロダイバー。それにフュージティヴ・フロム・ヘルか」
(後略)


アンドロイドマンとジロー登場のくだり、あんなに旧作を大切に 新たな描写してんだからさ、キカイダー変身シーンも旧作リスペクトでしょ?
なんでそこだけ、アンドロイドモード、言わす?ステマか?
( ̄Д ̄)


カワサキの750に似た車体は、あらゆるパーツにメッキを施し、シートまでがシルバーメタリックの光沢を放っている。そのバイクにまたがっている男は黒いつなぎをみにつけていた。
年齢は20台後半か。スマートな体型はジローにうりふたつだが、顔つきはまるで異なる。
この暗がりに濃いサングラスをかけていた。やたらと高い鷲鼻、頑固そうに結ばれた大きな口、幅広の下あごを備える。
黒髪はウェーブのかかったウルフスタイルにまとめ、前髪は流して目にかからないていど、襟足を跳ねさせていた。
総じて、近ごろお目にかからないアクの強さを誇っている。
男は低音の響く声できいてきた。「光明寺ミツコだな」
ミツコはぎくりとした。「だ、誰?」

「俺はサブロー」
(中略)


おー!!そしてこのハカイダーの紹介も、いかにも真山譲次 版 サブロー臭がする!!最高!!
(^O^)/


「違うって。この人会ったことないし。いったいどこの誰だかさっぱり」
サブローと名乗った男がスマートフォンを取り出した。「俺が何者か知りたければ、いまから教えてやる」
(中略)
サブローはスマートフォンを耳にあてて、はっきりした口調で告げた。
「コンバージョン。アンドロイドモード」
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(俺私物、映画チラシより引用)


すげー、新たな設定 以外全く昔のキカイダーの世界観を踏襲してる。してはいるが、
(°_°)
いちいちスマホ開けて「アンドロイドモード」つーとこがなんだかヤバいな、
(; ̄ェ ̄)
キカイダーは、ハカイダーもゼロワンも、ワルダーもビジンダーも、
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マリ。(俺私物、映画チラシより引用)

やっぱチェンジは「スイッチオン!」だろ、そこは…
( ̄^ ̄)ゞ
それに、ディケイドでタブレット使ってるし今更スマホもないよな?
キカイダーのようなロボットが登場する未来ならスマホではもう旧過ぎる気がする、
(−_−;)
いったい何処が出資なん?パチ系?
(-_-)
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俺私物。(映画チラシ)

logってるうちにイヤーな予感がしてきた俺だけど、そこはきっと東映はなんとかしてくれると信じたい、
(。-_-。)
ウルトラに続き、東映ヒーローまでテコン臭がし出したら離れが始まる。
そこはしっかり”スイッチオン”、で頭の中も、心も、
金で売り渡して好いものとそうでないものの違いくらいは、 ”ワン、ツー、スリー” 指差し確認しといてくんないと、
(~_~;)


俺 私物。『人造人間キカイダーTheNovel』(松岡圭祐 著、角川文庫) 、『キカイダーREBOOT』映画チラシより、抜粋 引用。