フュークスは反対側の面を占領している巨大な南極大陸の起伏図の前に立っていた。クラークとサンダーズを除けば、隊員のなかでいちばん若い。サンダーズは通信係であり、クラークは犬の世話をしていた。

フュークスは自分のほうが教育があるにもかかわらず、ときどき二人に対して劣等感を覚える。

この大陸は神経質な生物学者助手よりも、二人のような人間によりいっそう優しいのだ。


今回は久々活字、頸 痛くて読了に時間かかった。『遊星からの物体X』('82 / A・D・フォスター著、野口幸夫 訳 / サンリオ) よりlog…


マクレディは、腹を立て、堪忍袋の緒を切らして割って入った。「たわごとはもういい!そんなことをしている時間はないんだ。何べんおれは貴様らに、あいつがおれたちにどう振舞わせたがっているかをいいきかせなきゃならないんだ。お互いを恐れ、疑心暗鬼になって……殺しあって共倒れになって、あいつは手を下さずに脇で眺めてせせら笑う」


これ、よくわかる。

俺もやられたことあるわ。(~_~;)

これこそまさに、リアル"物体X"の思うツボ。
(~_~;)


「誰かがおれを始末しようとしているんだ、この気ちがいめ!おれをおとしいれようとしているんだよ」


そうね、人は人を平気で裏切るけど、物語はSF、人に化けた外宇宙の生命体だと、そんな 何処にもでも転がる、ありきたりの簡単な話しでは済まない。


新たな破裂音が室内を満たした。ファイブリレイターからのものではなかった。ノリスの胸骨が、サハラ砂漠の湖床のように割れた。皮膚がまくれ、肉の細片となって舞い散った。パーマーが、不自然にねじれる死体から離れようと、うしろ足に重心を移したとき、酸素マスクが天井へふっとんだ。
ノリスの口から音が発した。だがそれは、ノリスとして知られていた人間の発したものではなかった。おぞましい、きしむような、猫の泣きわめくような音だった。
(中略)
ノリスであったものは彼らの目の前で変化しつつあった。暗い犬舎での時とも、大氷原でのあのおぞましい夜とも違っていた。
(中略)
衣服の下の有機質が、それを拘束しているポリエステル繊維よりも大きく膨れあがって、衣類は裂けた。片方の靴がメロンのように割れて診察台から落ちた。靴よりは伸縮性のある、ふくらんでいく靴下の中に、一本の鉤爪が見えてきた。他の付属器官も急速に形をなしはじめた。不気味に結合している、鉤形の器官や、樽状のでっぱり、瘤のような突起などは、地球上での進化の系列とは別の、独自の発達を遂げたものだった。


とまあ"物体X"とは、こんなおぞましいお姿の宇宙生命体。
(^。^)

いやいや、これの原作logの時にも言ったけど、人間の心の闇、を活字にしたら こんな風に成るのかもしれない、

目の前のパートナーの本性を描写したら、実はこんな姿だったりして?

この本は、ジョン・カーペンター監督の映画版('82/米) 『遊星からの物体X』の脚本を、A・D・フォスターが小説化したもの。

この小説と、映画はラストが違うから、ここでは触れないどく。
Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

興味の沸いた方はぜひ一度 ご一読を。
d(^_^o)

もうすぐ公開の『遊星からの物体X ファーストコンタクト』('11/米) は、この小説版の3日前、ノルウェー調査隊に起こった出来事を描くプリクエル(前日譚)。

昨日 再録した、ジョン・W・キャンベル・ジュニア『影が行く』('38) は、この一連の作品群の原作。

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※ 引用。