…二人とも気分がノッていて、へらへら笑いながら新聞に目を走らせていた。おれは新聞を読むたんびに腹の底から笑いたくなる。おれたち二人が、さもなければどちらかが、ページをすばやく乱暴にめくっていく。まるでガキがそれを破ろうとしているみたいにだ。そのときだ、死亡記事に載っていた顔が目に飛び込んできたのは。ノーベル賞受賞者、死去って見出しがついていたから、おれはルースターを突っついて言ったんだ。"このおっさん、うちの親父の知り合いなんだ" するとルースタのやつ "へえ、マジかよ" だと。


この物語の主人公Q・P(クウェンティン) は街の名士…高名な教授だか博士の息子(31
)。聡明なのか莫迦なのか IQ 120 はどれくらい?知らんけど、各章ごとのアホみたいなイラストとか、読んでてこっちの脳ミソが溶ける感覚のする小説だな?これ。

今回は、『生ける屍』('04/ジョイス・キャロル・オーツ著、井伊順彦 訳/扶桑社ミステリー) をlog。


こっちが安心してゾンビにできるのは、地元の人間以外の誰かだ。ヒッチハイカーや、浮浪者や、ヤク中みたいな連中だ(中略)。

あるいは下町のBlackProjectに住んでる誰かだ。世間から鼻もひっかけてもらえん人間どもの誰かだ。生まれてきた意味のないやつらの誰かだ。


随分と上から目線。腐りきった金持ちのバカボンの腐れた発言。

要は、一流大学の教授で名士の息子の莫迦息子が、頭良すぎて?バカ過ぎて?かわからんけど、ヌクヌクと裕福な、セレブな人性を、自分の自由に、いいなりになるホモのゾンビを作る為に費やす、そんな話しらしい…

ま、現実を揶揄してんだろな?荒唐無稽な物語でコラージュして、真実をリークした、とかそんな小説だと俺は思った。


もう二十七歳だから、そろそろ自活しなきゃと、俺は両親に言った。本気だった。(ただし、$に困った時はお袋に助けられた。もらったのは小切手じゃなく現金だから、親父に知られることはない)。


【本気】が笑える。

これが、マウントヴァーノン州立大の有力教授。物理学および博士号取得者。ミシガン州立工学高等研究所の大御所。を父にもつ主人公。

いや、ダメだわ。これ。再版…重版はできないでしょ。
(T_T)

結局、何も解決しないし、決着しないんだね、これ。そこ一番怖いよ。

普段は大人しい、いい子演じてても一皮剥けば、連続"ホモ"変態殺人鬼の、ぶっ飛んだ告白、って小説でした。

Amazonで値段ついてる理由はなんとなくわかった。俺は駅前の古本屋でみつけたけど。

前log.の『夜啼きの森』は、【津山三十人殺し】の"戸井睦雄"をモデルに(丑三つの村、検)、岩井志麻子氏が、まるで当人の魂が乗り移ったかの様に心情を吐露してて驚かされるけど、

こちらの『生ける屍』も、あの連続"ホモ"食人鬼 "ジェフリー・ダーマー"がモデル、だというから、どちらの小説家もまるで巫女?イタコ?が、乗り移られ語った、口寄せ、のようだと思えた。

最後は自殺した、とされる戸井睦雄も、ガキの頃は利発聡明で、将来を嘱望されたと云うし、

獄中で他の囚人に撲殺されたダーマーの父親も、分析化学で博士号を得ていた知識人だったとか云うから、紙一重だな、ほんと。

両方、女性が男性殺人鬼を描いた、てのも共通してる。

その心の中を見透かした様な描写力が あまりにも迫真で、怖ろしさよりも共感、となってしまうから、そっちの方が怖い。

こっちは『夜啼きの森』ほど…内容が内容だけに、あまり引用出来なかったことを付け足しとく。

おぞましい、スプラッタパンクな小説だったわ。

たぶん、二度は読み返さない。
(; ̄ェ ̄)

偶然とはいえ、こんなの連続して読む、なんてのは今後あまり経験したくない…
(T ^ T)


重要な知らせには思えなかった。テレビや新聞で報道される大半のニュース程度のことだった。実際、ずいぶん前の事実ではないか。ドクターM・Kは故人だから、今さらどうこう言っても始まらない。ノーベル賞受賞者、一九五三年から五七年まで放射能実験をしていたことが発覚。「ナチス」医師団の所業にも等しい行為。
(中略)
ドクターKは、科学者チームを率いて、原子力委員会の要請で秘密実験に従事していた。ある実験では、放射能に汚染された牛乳が、メリーランド州ベセズダのある学校に通う三十六人の知的障害児に与えられたという。
(中略)
大学の研究室と自宅に、親父はドクターM・Kといっしょに撮った写真を額に入れて飾ってあったが、自分でそれを取り外した。ばあちゃんが今でも食堂の壁に自分の写真を飾ってあるかどうかは知らない。もうばあちゃんちには行っていない。実家にも足が向かなくなった。

ときおりお袋に金を借りにいくときは別だが。