【ウォーキング・デッド ガバナーの誕生】('12/ロバート・カークマン&ジェイ・ボナンジンガ/尾之上浩司 訳)。現行です。

これは、今話題の米TVシリーズ『ウォーキング・デッド』('10〜) の、外伝小説ということらしい…


突然、原因不明の状況でゾンビが大発生し、世界が地獄と化した。襲われた人間が次々と亡くなってはゾンビとなってよみがえり、何万、何十万、何百万とバケモノが増えていく。どうにか生きのびたフィリップら5人のグループは、救援センターがあるというアトランタめざして苦難の旅を続けるが…


と、まあ裏表紙のあらすじ。( ^ ^ )/□←ココ


フィリップ・ブレイク(主人公)はぎこちなく、ため息をもらした。いまもドクドクと、アドレナリンが全身を駆けめぐっている。つかのま兄のことは放っておいて、斧を下ろし、目をぎょろつかせながら立ちつくす。ブライアン(フィリップの兄)が長年やってきたヘマに、さんざん目が飛び出しそうな思いをさせられてきた。この目玉がほんとうに飛び出さずにすんだのは、奇跡みたいなものだ。ほかに何ができただろう?このろくでなしは、俺の家族だ。身内は身内……どんなときでもな。


家族は他人とは違う。血肉を分けた者が、自分と同じ痛みを共有するのだから、何を於いても、と思う気持ちはわかる。

だが、他人はやはり他人。そこに愛が在ろうが無かろうが、自分自身で賞味期限を設けた以上、いつでもそれを利用し自分の想いの丈をぶちまけられると思ったら大間違い。

自分の都合の好い時だけ、他人の舞台を借りようとしてもそれは身勝手というもの。他人同士だからこそ、そんな時の為に、いつでも愛を撒いておいて、互いの想いを育んでおかねばならんのじゃないか?

自ら引いたライン。贅沢言う、選り好みするのでなければ、目の前の 身内の持つその舞台なら区切りなく 好きなだけ酔って上がっていられるのだし…

絶え間なく与え続ける愛なくして、還る愛は、寄り添い合う舞台は、何処にも無いのだと俺は思う。


「なあ。ここの一家はみんな死んだ。そうだよな?六人全員を始末したから。六人いたよな?」
弟は顔をぬぐった。「さっさと説明しろよ」
「なあ。理由はわからないが、みんないっしょにゾンビになった。ここの一家は、そうだな?」ブライアンは咳こみ、ガレージのそばに投げ出してある六つの包みを指さした。
「芝生の上に、六体の遺体が転がっている。だろ。母親に父親。そして四人の子ども」
「だから、どうしたっていうんだ?」
(中略)
ブライアンは弟を見返しながら、重苦しい口調で答えた。「この写真に写っている家族は、全部で七人だ」


ま、ゾンビものだから大して目新しい話にはならんとは思う。でも、ドラマ面白いらしいからね、一度観てみなくては…


……田舎町にどんどんゾンビが増えていくなか、恐怖にかられて床下にもぐりながら無人になった家に引きこもっていたのだ。兄が最近どうしているかなんて、ほとんど頭になかった。いかれたジャマイカ人娘と結婚してグレインズヴィルから南へと下り───まさに人生も下り坂という状態になって、実家に帰ってきていたのだ。結婚相手はあらいざらいの品を手にして、ジャマイカに引き上げていった。結婚だけでなく───ほとんどが両親からもらったカネで動かしていた───ブライアンが思いついた馬鹿げた商売の計画もことごとく失敗していた(中略) ので───


どっかで聞いた話だな?うちだけでなく、どこも同じなんだなぁ…
(~_~;)


…金持ちどもは、自分の子どもにこういうクソをあたえて甘やかすんだ。


皆、思う事は同じ。(−_−;)


襲ってきたのは、、ブランドもののランニングスーツを着た、破れた袖から細い腕をつき出し、黒ずみ、歯をむき出しにして、有史以前の魚のようなボタン状の目玉をしている、中年女の成れの果てで、氷のように冷たい亡者の指でフィリップのシャツの裾をつかんでいる。
(中略)
女ゾンビは飢えにつき動かされた巨大な噛みつき亀のように、庭を横切ってここまでやってきて、彼の首に喰いつこうとしていた。


ウォーキング・デッド・ゾンビの登場。日本語文章だとこんな風。


「ここに暮らしていた、世界でも選り抜きの金持ちどもに」フィリップはグラスを掲げた。
何に対して乾杯するのか……そして、いつまでこの状態がつづくのかよくわからないまま、ほかの者も乾杯につきあった。


と ここまでで、まだ『第一部 虚ろな人々』のChapt.3、なんだけどね、

最後までReviewるには、500頁弱もあってちょっと辛いわ。
m(_ _)m

後はFOXで放送中の『ウォーキング・デッド』をご覧いただいたり、現行のこの文庫を読むなり していただくとして…

今回はここまで。
m(_ _)m

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『マクファーレントイズ・ウォーキング・デッド』アクションフィギュア



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※ 引用。