人生の悲哀、一言で言えば。

今、流れてる、
ウルヴァリンの"ヒュー・ジャックマン"と 子役の出てるTVスポット観てたら、

あれ?これってもしかしてマシスンの『四角い墓場』じゃね?と気付きまして…

…『四角い墓場 / たそがれの賭』は、【ミステリー・ゾーン】放映時('59〜63)のタイトル(#64) なんだけど…

どっかで原作 読まなかったか?とよく思い出したら、
以前に、同じミステリー・ゾーンの、
『二万フィートの戦慄(悪夢)』(検タグ) をLog.った時の文庫、
アンソロジーに収録されてたのを思い出したので 今回 Log.。

なんか最近、短編小説ばっか読んでんな 俺
。(⌒-⌒; )

短編は数ページしかないし、すぐ読み終わるからー!!
( ´ ▽ ` )ノ

ミステリー・ゾーン版はうろ覚え、
なんかえらいモノクロの 熱い話だった気がするんだけど、
そちらはまた折をみて。



「俺はケリーだ」と自己紹介をした。「ティム・ケリーだ」
相手はびっくりしている。恐る恐る握手をかわす。
「わたしはマクスウェルだ」
男は手を引くと、それとなくズボンで手をぬぐった。
「むかしは、"鋼鉄"のケリーと呼ばれたもんだ」と説明した。「この手で闘っていたときの話だ。もちろん、戦前のことさ。ライトヘビー級の選手だった」
「ほんとうに?」
「ああ。正真正銘のボクサーだった。一度もノックダウンさせられたことがないんで"スティール"ってあだ名がついた。一度もだぜ
。第九位までランクを上げたこともあった。
すげえだろ」
「確かに」男は辛抱強く話を聞いていた。
「いまは、こいつが闘っている」ふたたび顎でマクソを示す。「こいつもライトヘビー級だ。今夜、メイナードで試合があってな。あんたもメイナードに行くのかい?」
「いや────違う」男が答える。「残念だが
────わたしはヘイズで降りる」
「そうかい」ケリーはうなずいた。「そいつは残念だな。良い試合が観られるだろうによ
」深く息をつく。「こいつは────第四位にランクしたボクサーだ。また、返り咲くだろうよ。こいつは────その────1994年にディムジー・ザ・ロックを倒している。あんたも新聞で見たことがあるんじゃないか」
「どうだろう……」
「そうか。まあいい」ケリーはうなずいた。
(中略)
「最高のモデルだった。だから、マクソはいまでも強くなるばかりさ」馬鹿にしたように肩をすくめる。「新型なんて、相手にならないってことだ。あのアルミニウム合金製で、やたらと余計な物がくっついてる新型なんてな」
男はぽかんとした表情で、ケリーを見返している。
(中略)
「これっぽっちも、堂々としたところがねえ
。だめだな。モーリング社はもう、マクソのようなロボット・ボクサーは作らなくなったんだ」
「なるほど」男か答えた。
ケリーは微笑んだ。
「そうさ」と答える。
「俺はこの手で闘っていた。昔は人間のボクサーが大勢いたんだよ。禁止されるまでは、の話だけどな」首を振ったが、すぐに微笑む。「さて、俺たちはこいつで、相手のB-7型を倒す。相手の名前はまだ聞いてないけどよ」と言って笑った。
一瞬、真剣そのものの表情をうかべ、深く息を吸う。
「相手をやっつけてやる」
しばらくして男性客が列車を降りると、ケリーは自分の席にもどった。向かい側の座席に両脚を乗せてふんぞり返ると、新聞で顔を隠した。


…顔を隠した…

もっと全文掲載した方がよかったかな?一生懸命過去の栄光を語る主人公、
それを聞き流す たまたま居合わせただけの乗客…
こんなイライラが何度も積み重なって、ケリ
ーはついにある事を決意するんだけど…

それは映画か、TVドラマか、この原作で 是非 確かめていただいて、

ほら、学生時代の栄光を語る割には、ふーん
、で流されてるやつなんて大漁じゃん。
そのうち自分からはその話、しなくなる、ならまだいい方でさ、

大抵誰も聞かなくなる。
「…またその話ぃ〜?」

ま、皆が知りたい、知ってる、訊きたい その方の人生の栄光、なんてのは、
名の有る無し関係なく、よっぽど何某かの人物でもないと、なかなかねぇ…

例えばどっかの教祖の話なんて、信者以外誰も興味ないわけだし、
人生賭けて 憧れて ファンです、てのでもない限り 無関心は 別に普通だよね。

物語の顛末より、この数頁にすげー惹かれたわ。俺は。

勘違いしてその気になってると、 哀れな人生 って事になるから。
σ(^_^;)

空気読め、そこの君。みたいな…
(; ̄O ̄)


「お客さんがお持ちのそれは、B型のボクサ
ーじゃありませんか?」運転手が肩ごしに訊いた。
ケリーはふっと身を起こし、運転手を見た。笑みをうかべる。
「ああ、そうだ」
「今夜試合に出るんですか?」
「ああ。バトリング・マクソという。耳にしたことがあるだろう?」

「知らないですね」

「もうちょっとで、ライトヘビー級チャンピオンになるところだったんだぜ」

「ほんとですか?」

「ああ。ディムジー・ザ・ロックのことは知
ってるかい?」

「どうだったっけな」


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『ミステリーゾーン3』('89/文春文庫) 版「スティール」



リチャードマシスン著、 尾之上 浩司 訳
『スティール《四角い墓場》』(運命のボタン、'10 / ハヤカワ文庫収録)より引用。

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※合わせて読もう。

俺log検索ワードランキング、最近1位多いね『四角い墓場』より
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四角い墓場・『リアル・スティール』('11/米) 。機械は人間には勝てない。日本語吹替音声BD版
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