翻案、って言葉がある。

広辞苑によれば、
「前人の行った事柄の大筋をまね、細かい点を変えて作り直すこと。特に、小説・戯曲などについていう。」

やれパクリだ、どこそこで見た、と粗探しの得意な御仁なら、
この言葉はきっとご存知なのだろう…

【怪獣文学大全】('98 / 河出文庫、東 雅夫 編) に、どーしても読みたかった短編、
W・H・ホジスン著『闇の声(1907)』(大門一男 訳)
が収録されてると知って、数年前に手に入れたんだよね、
普通の厚み の文庫本なのに '98年当時で950円もすんの!お高くないすか、

で、今は?
Amazonで調べたら更にビックリ、現在 3千円近いプレミアぶりやん…
!(◎_◎;)

そんな貴重な、人気あるアンソロジーなん?
あらま びっくり。
(俺のは初版。ラッキー!)

で、日本の映画で、マタンゴ('63・東宝) って聞いた事ない?
その原作とされてるのが 当『闇の声』って作品なんだけど、

そしてこの本には、
映画化された、『マタンゴ』(福島正実 著)…『闇の声』の"翻案"も、続けて収録されてるから、実に親切なアンソロジーってわけだね。

雰囲気 抜群、今にもオールを漕ぐ音と 波音が聴こえて来そうな、そんな…


「さようなら!」われわれはさまざまの感慨に浸りながら、しゃがれ声で異口同音に叫んだ。
(中略)
太陽が気まぐれな一条の光を暗い海面に投げた。それは靄(もや)をにぶく貫き、陰鬱なかがやきで遠ざかって行くボートを照し出した
。おぼろげながら、私は二本の櫂の間でコックリコックリ動く物を認めた。
私はスポンジを連想したーーー大きな、灰色のコックリコックリするスポンジを。
櫂は休むことなく動いていた。ボートと同じように、それらは灰色で、私の眼は一瞬その手と櫂の結び目を虚しく探った。
私の視線はすぐまたそのーーー頭部へ戻った
。櫂を後方へ繰り出すにつれて、それは前方へコックリした。
それから櫂は水にくぐり、ボートは明るい一画を突き抜け、靄の中へコックリコックリしながら入って行った。


こ、怖い…
(; ̄O ̄)

あらすじには関わってないから、エンディング まま引用したけど、
こんな風に幻想的な、ジワジワ怖い文章、物語です。
( ̄◇ ̄;)

これが原作って事なら、
あの名作『マタンゴ』が、福島 氏、東宝の手によって どう翻案されたか?

見事に雰囲気を捉えた映画化、翻案化だと言わざるを得ない、マジ。

どれも全部傑作なんて、凄いことだと思いません?

大抵 ボロボロにされんだけどね、『NOTLD・最終版』みたいに。あ、これは改悪か。
(−_−;)

とまあ、言いたい事は冒頭で言ったので、今日はこんな感じ、

このアンソロジー、他にも、珍しいかな 怪獣小説いっぱい。

お試しあれ。
(^_-)

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※ 引用。