初めてまともに観た。

サム・ペキンパー監督、ジェームズ・コバーン主演、
【戦争のはらわた】('77/英・西独)

いやいや、戦争映画って俺はあんまり観ないから…
でも、この映画だけは、昔からなかなか凄い凄い言われてて、

その都度(レンタルで見掛けたりとかしたら) 観てみようかと努力はすんだけど、

なかなかどーして、観る側にも"覚悟"のいる映画なので…
でも今回は、腹括って、しっかと観ましたよ、しっかと。

タイトルがこれだから、"はらわた"がデロデロ出る、ゴア描写満載、の映画って訳じゃないよ、

至って真面目、正攻法だし。

そりゃ戦争映画だから、血も出るし、人も吹っ飛ぶけど…
…初めてしっかり鑑賞した感想としては…

…噂に違わぬ…映画ですよ。そして何より、
ヾ(@⌒コ⌒@)ノJ・コバーン最高!!

第二次大戦中の、独vs露の戦いの最中、のお話。

プロイセン貴族出身のシュトランスキー大尉と、叩き上げの百戦錬磨の軍人、シュタイナー伍長(コバーン) を軸に物語りは進んでいく。
またこのシュトランスキーが嫌な野郎…最悪のヒール…。

戦場で、こんな…階級だけ、家柄だけ、みたいな奴に命預けるなんて、逆に死んでも!出来ねー

その分、戦争の愚かさ、間抜けさが際立つんだけれども…

そんなシュトランスキーに対して、
コンビニで言ったら、深夜の主任!みたいな位置の、シュタイナー伍長のカッコ良い事この上無し!!

彼が居る隊なら、生残る可能性は増えるかも、と思わせる系のヒーローってやつね。

それに途中、ちょっと切ない恋物語もあったりして、ぐいぐい引き込み飽きさせません。

思ったのは、もし真に命のやり取りする様な現場、戦場とかなら、
学歴も家柄も、金も何にも…役に立ちはしないなって…

地面に座って物を売る、フリマとか嫌悪してた金持ちの息子が居たけど、
戦場じゃ、土中が寝ぐらだからね、

高学歴だからって、生かしてもらえる訳もなく、
命のやり取りには、大人も子供も男も女もないから…。

いやー文章で上手く伝わる話じゃないな、

この映画、ストーリーは完結しなかったし…

そうそう、10年前に発売のDVDが長らく絶版で、高値で取り引きされてたけど、

ジェネオンから今月発売の再版が、今なら1000円ちょっとくらいで買えるから…

ただ本編は、本来133分なんだけど、この再版DVDには127分収録。
カットではなく、PAL早回し版、って事ね、

そして、戦場の実写フィルムをバックに流れる…『幼いハンス』が怖い…
あ、日本の…『蝶々』ね♪

…『蝶々』と『…ハンス』、
メロが一ヶ所違ってて、びっくらこきました。
そんな訳で、非常に文章にはしにくい、【戦争のはらわた】ですが、
最高に面白いのでチャンスがあれば…

是非、ご覧になってください。

後悔しないと思います。
ヾ(@⌒満⌒@)ノ


※そうそう、思い出した。
凄く薄ら寒かったシーンがあるよ…

泥でグチャグチャの道に、無雑作に放置された敵兵の遺体、
軍用トラックが、その打ち捨てられた遺体を気にする事もなく、ゆらーっと泥道を進むシーン…

まるで、大地を踏み締める様に、遺体をぬた〜っとトラックの大きなタイヤが踏みつぶしてく。

その際、泥に突っ伏した、硬直した遺体の手!が、
タイヤの重みで宙を掴むかの様に盛り上がるんだよ…

こうね、ひ涸びて乾燥した手首が、もがくかの様にこう、ぐらあ〜っとゆっくり持ち上がるんだ。

なんだか、あまりにも強烈なシーンで、

戦争の凄絶さ、悲惨さを象徴してて
一番印象に残ってるよ。
ヾ(@⌒手⌒@)ノ