"これは、第一次大戦も終わり近い 1918年10月、北フランスの、
とある小さな街でのお話しなのです…"

…カルトと呼ばれる、『まぼろしの市街戦』('66/仏) を観た…

主人公は、英軍・伝書鳩係の通信兵"プランピック"二等兵(吹替/富山敬)…

仏語が出来ること以外、任に適した処は何もないのに、
"プランピック"は、独軍が街に残した、深夜0時に爆発する爆弾の処理、をたった独り命ぜられる…

しかし既に街の人間は全て避難の後…
残っていたのは、精神病院の患者とサーカスの動物だけ…

残留していた独軍に追われ逃げ込んだ精神病院で、
敵の目を眩ますために、患者の興じるトランプ遊びに紛れ込んだ"プランピック"は、

持ち手のカードは何か?と訪ねられ「…ハートのキング」と応えたために、
この街の王様!にされてしまう…

その後、色々ドタバタがあって…
街の爆破は、自らの機転で阻止した"プランピック"…
刺し違え全滅した両軍を後目に、遠くから解放軍が大部隊を率いて近づいて来る…

「もうたくさんだ、何者でしょうな…」と将軍になりきっている患者…

「解放軍だよ…」と"王様のはずの、プランピック"…

…すると…
「ん〜長いお芝居でくたびれた…」と公爵役の患者…

「はぁ(ため息)…病院へ帰ろう…」…

と、まるで…今までの全ては、患者達の仕組んだ長いお芝居だったんだよ、と衝撃的展開…
「陛下もお帰りなされ、戦争好きなお仲間のところへ…」と将軍役の患者にまでに諭される始末…

しまいには、愛する妃役の患者、"コロンバイン"までもが…
「お元気でね…」…
もう幕は降りた、と言わんばかりだ…

そして…集まり、サーカスの音楽にのって病院へと行進する患者達…
(全体のサーカスのスコア、曲がなんとも切ない!)

それぞれに成り切っていた人物達の身に付けていた装飾品を、こんなものこそ必要ない、とばかりに、病院の門前に次々と脱ぎ捨て、

自ら鉄の扉に鍵をかけ、病院へと戻る…
ありのままの自分に戻るために…

…これじゃあ…病院の中の患者達、戦争で殺し合う軍人達…
どっちが正常なのかわからない…

…ラスト近く…
開放軍から、良くやった!と、檻に抱えた伝書鳩と共に勲章を受ける"プランピック"…

彼もまた、実は開放軍のスパイだった!?
あらまビックリ!!!

街を救った事で軍の英雄となり、次の任地へと赴く"プランピック"…

だが彼の目は、何にもまして虚ろだ…

戦争だから、という理由で、殺し合いは正当化されても良いものなのか…?
これほど無意味で愚かな行為が、果たして正常といえるのか…?

英雄!"プランピック"を乗せた走り去る軍のトラックが、街の角を曲がったその時…

伝書鳩の檻を抱えた…独りの軍人が道へと降り立つ…
彼は武器を投げ捨て、着ている軍服を次々脱ぎ捨て歩き続ける…

そう…そしてあの、精神病院の前にたどり着いた時には…

その姿は、リアル"裸の王様"…!!
ヾ(@⌒ー⌒@)ノ

これじゃ健常な人には思われない…?

精神病院の鉄の門の前、伝書鳩の檻ひとつだけ抱えた…
素っ裸の"プランピック"…!!!
(この後は本編をご覧ください…)

あー凄い映画だった…
(ーー;)…

一筋縄ではいかない…

だてに"カルト"とされてる訳じゃないね…

平和を求めての戦争か…ただの殺し合いか…

その心が純粋で美しく、平和だから…
精神病院の…鍵のかかった、鉄の門から外へは出ない、のか…

一体何が正しい?誰がまともだって?

すんげー考えさせられました…

…TV放送用の吹替えも最高!…
特に、妃役の"コロンバイン"の声!

…"信沢三恵子" さんという声優さんのキュートすぎる…声!

昔の声優さん?
もう…可愛いすぎるその女優さん(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド) にピッタリ過ぎるほどピッタリ…

しかし…こないだLD観れなかったから(過去Log.).…

DVD買うのバカらしいし、VHSは、中古でも莫迦みたいにお高いし…
…と思ってもしかしたら、と観てないDVDの山捜したら…

…ありました…何で?

【まぼろしの市街戦】…紀伊国屋書店版…埃まるけ…

しかもこれ、ネットで見たらすげーお値段!!
プレミアでDVD買うのばからしいから、5月に再販(MGM版) 出てる今がチャンス!

是非一度ご覧あれ…
(^ー^)ノ…