ブンタくん(♀猫、5歳、ほんとは17歳)の写真…手鏡の裏、に入れてある…

だから、その鏡を、使う時以外は、いつもブンタくん側(裏側)をこっちに向けておく…

でも、不思議な事に、その鏡を床に置いておくと、まるでブンタくんが嫌がってるかのように…
いつも鏡は倒れてしまうから…

テーブルの上か、もっと高い場所…彼女は高い場所が好きだったから…に置いて、こちらに向けていつも話かけたり、チューしたり…

今日は、ベッドに連れて来た…
たまにはパパと一緒に寝ん猫(ねんねこ)しようね…ブンタくん…

「ア〜ガ〜オ〜…」…

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山で遭難(5日目) した父親と息子…
かつて父親が、息子の母親と登ったその山を、父親は息子に見せてやりたかった…

☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;
「…大ちゃん(息子)。お母さんね、大ちゃんと、もっともっともーっと、一緒に居たいの。
とっても欲張りさんなのね、人って。

でもね、本当はご飯が食べられて、夜眠れれば、それだけでとっても幸せなの。

大ちゃんの幸せを考えてたら、お母さんやっぱりこの2つしか浮かばないの。

でも、もしもどんなに頑張ってもその2つの幸せに困る時は、

あきらめないで母さんを呼んでね。」…

「そしたら、わかるんだって。お母さんが死んでないって。」…
……………「大史、お前…」…

オカアサーン ゴハーン…オカアサーン ゴハーン!!…

…その息子の声に、遺書を破く父親…そして2人で大声で…

オカアサーン!…オカアサーン !!!…

オカアサーン!…オカアサーン!…オカアサーン!オカアサーン!オカアサーン!オカアサーン!…
……オカ…「ハロー。」…

「…たのまれてきたんだけど、いやあ、間に合って良かった!」…

…救助に来たのは主人公 "三歩"…
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜

…そして…
「ねぇ、さっき たのまれてきたって言ったけど、…誰に?」と大史…
「うーーーーん、どうすっかなあーーーー。言わないって約束したからなあ…」…と三歩…

「おじいちゃん?」…
「まったまた〜。」…「ねぇ、誰?誰?」…

「ホンットに信じてくれるならオレ言っちゃおっかなあーーーー。」…と三歩…
「うん、ボク信じる。」

「ーーーー君のお母さんに決まってんじゃーん!!」…
…コンニャロ、コンニャロ…

…「やっぱりなあーーー。」…


石塚真一著 【岳】第一巻『第六歩 遠くの声』より