時計が好きだ。

普段は、グリーンサブにクロムのリングを合わせてる、
夏場は暑いから、GとかSUUNTO、クロノ系!かな…

時計についてはトラウマがあって、それは17までさかのぼる…

プロレス時代、巡業が地元だったりすると、一時帰宅を許してもらえたりするんだけど、
で、実家で羽を伸ばしたりして息抜きができるわけ、
実家には反りの合わない、母親の10歳も年下の男(俺とも10違い)がいたから、別に帰りたくはないんだけど、やっぱ新弟子は息抜きなんてなかなか出来ないから、そこ我慢してでも実家に戻るわけ…
そんな時だけは先輩方も大目に見てくれるから、なるべく朝早く、集合二時間前くらいには宿舎に戻らなきゃならないんだけど…

事件はそんな巡業の最中、帰省時に起こった…

まだ、17だから、学生時代のものは殆ど残ってて、自分の部屋はさすがに倉庫にはされてるけど、私物はまだ残ってる筈だった…
だって、家を出てまだ半年くらいだったし、まさかねぇ…
机開けて、引き出し眺めて、懐かしさに浸ってると…あれ?ふと何かが見当たらないのに気付く…
中学と高校の入学祝い、母親、親戚から贈られた時計…

なぜか、時計だけが見当たらない…

母親がテレビショッピングで買ってくれた海外ブランドの金貼のアナログウォッチ、どーしても欲しくてねだったカシオのデジアナ、イトコの兄ちゃんがくれた中古のお下がり…

俺の為に食事奮発中の母親に「ねぇ…俺の時計しらない?」と尋ねれば…
何故か訝しい顔で、側にいた男を問い正しだした…
「あんた、なんか知ってるだろ…」
最初はすっとぼけてた男、しまいにゃ渋々財布から何やら紙キレを取り出した…

質札…

ご丁寧に全部流れている…
オマケに母親がそいつと一緒になる時に、母親が!そいつに贈ったプラチナの結婚指輪!まで
流れた質札に変わってて…
それ見たら母親が可哀想で、自分の時計のことはそれ以上言えなかった…
しかしなんで大事に流れた質札持ってんだよ、
証拠隠滅してシラきり通せ、つーの!

そんな優しささえ持ち合わせてないアホな男…だったな…

その日は逆に俺が気を使ったよ、何事も無かった様に振る舞って、いつもより早めに巡業に戻ってさ…
ひでー思い出…

で、時計にはトラウマと思い入れ、いや執着があるわけ…

それから何年かして、その男も、他の男同様、やっぱり出ていって、母親はその時のお詫びのつもりかわかんないけど、一つ時計を買ってくれた…

無理して、10万もする時計買ってくれてさ、今はもうしないけど宝物…一番大切な宝物…これはちゃんと手元にある、

ところで、最近欲しいのは、イルクジ・フロッグマン黄緑!!!
すんげー欲しいよー(泣)…